第4回川柳文学賞受賞作品『メメント・モリ ー死を想えー』

2011年6月11日、宮城県・勝山館にて授賞式が行なわれ、大野風柳選考委員長をはじめ、多数の川柳家にお集まりいただき、賞状、盾と副賞10万円が、受賞された黒川利一氏に手渡されました。
第4回川柳文学賞は平成22年に発刊された句集のうち、申請のあった18冊を選考委員(大野風柳・久保田半蔵門・平山繁夫・雫石隆子・林えり子(作家))5名(敬称略)が選考しました。

総評 選考委員長:大野風柳

メメント・モリ ー死を想えー

平成22年11月19日発行
B6判ハードカバー函 132頁
オフィスエム
二千円(税別)
ペン画・板画 森 貘郎

 残念ながら今年も五名の審査委員の議論がなされなかった。
申しわけないと思う。

 会長の私が審査委員長を辞退し、大木俊秀さんに委員長になっていただくことになっていたが、一年間の常務理事の業務を辞退ということで、私が一年居座りの委員長としてお引き受けせざるを得なかった。

 各委員から、一席、二席、三席を推薦、講評をいただき、その点数制で決めさせていただいた。

 今後は審査員の中から決めていただくことを希望する。
そして句集刊行の動機やテーマなども文学賞受賞の対象にして欲しい。

 今回第四回川柳文学賞表彰を日川協仙台大会で無事行えることを心から喜ぶとともに、今後の発展を期待して止まない。

主な掲載作品

・母が泣く母さんて泣く深き海       ・狂いたしダイコンの花揺れ薄暮
・涙をこらえているボストンバッグ     ・雨 母の写真をいっぱい撮りました
・いつか走る時が施設のこの廊下      ・闇に浮く届かぬ手紙水の文字
・桜の中に長い列からまた一人       ・初めての町のどこかに僕がいる
・母よあなたもこの雪見ていますか     ・笹に雨この八年の音になる
・私の母です私の子供です         ・こんなところに階段がある病院
・母がいないきっと八百屋に行っている   ・えんぴつでひらがながきのははのめも
・がらがらがら色の違った球がポン     ・ゴッホの黄 僕が被告の席にいる
・夕焼け小焼け戻るところが分からない   ・本を開く押し花になっていた雪
・北北西の風磔刑になっている紙袋     ・廃業の薬屋ガラス戸に私
・風どこのどなたに声かけられる      ・蛍に会いにゆくあなたに会いにゆく
・寂しさが僕の矜持を狂わせる       ・夏終わる残った者を数えてる
・花火見る人も私もいずれ死ぬ       ・幸せにも影があるのだろう 過ぎる
・金平糖手の平にきた星たちよ       ・酒を下さい自刃の友の笑い顔
・江戸の墓碑僕の名前を探してる      ・人間を脱ごう明るい月だから

黒川利一

大野選考委員長より、賞状を受け取る黒川利一さん(右側)

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